液体ミルクを防災備蓄品にしてもらった経緯
防災備蓄品には備蓄期限があり、例えば水やアルファ米などは地域の防災訓練などに合わせて活用されています。
しかし、中には活用されずに税金で購入した備蓄品が廃棄され、大変もったいない状況にあるものもあります。
それは液体ミルクです。
2018年第三回定例会で当時の武井区長に対して私が
「液体ミルクを防災備蓄品として購入すべき」と質問をしました。
私の質問からその必要性を理解していただき
港区では2019年から備蓄をするようになりました。
ありがとうございます!
液体ミルクの備蓄数
昨年2023年度には液体ミルクを3600本を購入し、83万5920円を支出しました。
備蓄した当初から懸念されていたように、液体ミルクは粉ミルクと比較し賞味期限が短く、
港区で備蓄をしている株式会社明治のほほえみ200mlの缶が一年半まで伸びましたが、
水やアルファ米など他の備蓄品と比較をすると短くなっています。
多くの自治体と同様に港区でも防災備蓄品をローリングストック法式で賞味期限が短くなったものから、
地域の防災訓練などで提供しています。
私もよく芝浦地区の総合防災訓練や
マンションの防災訓練で賞味期限の近い2リットルの水や、作られたアルファ米やパッケージのままのアルファ米をもらういます。
しかし、液体ミルクは
WHOの「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」に基づき、
ローリングストック方式が進んでいません。
こちらに昨年度の防災備蓄品としての液体ミルクの活用法について作成したパネルをお示し致します。
2023度は、備蓄している液体ミルク3600本のうち
800本が済生会にある乳児院に寄付し、活用
672本が3つの区立の高齢者施設で使用されましたが、
残りの2128本、60%は廃棄されています。
赤ちゃんの命を守る液体ミルクが、
廃棄処分されてしまっており大変もったいない事態となっています。
液体ミルクのリデュース事例
港区だけではなく全国的に液体ミルクのローリングストックには課題があり、
ある区では、教育委員会、学校と連携し区立保育園、区立小・中学校に液体ミルクを提供し、給食に活用しています。
その自治体の職員の方のお話では、
防災課が主導して液体ミルクの活用に関する指針を打ち出し、教育委員会などに協力を仰ぎ3年ほど運用しているが
特段の問題は起きていないとのことでした。
また、環境省では食品ロス削減・食品リサイクル推進に関するモデル事業として、一般社団法人食品ロス・リボーンセンターの液体ミルクの備蓄とリデュースに関する事業を採択しています。
こちらのパネルにあるように、
令和3年度実施の事業では、千葉県栄養士会 、山口県 、全国1400自治体と栄養士・管理栄養士に対し、
入れ替えが決まった液体ミルクがあれば、事業所・施設で活用したいか。希望の量についてなどアンケート調査を行っています。
役所、障害者支援施設、学校給食、病院などでリデュース実証を実施し1施設1カ月程度で24本入りの1箱以上が消費可能であることや味に関しては問題がないなど多くの有益な結果を得ています。
こちらがミルクココアや冬野菜シチューなど液体ミルク活用メニューの一例です。
また令和4年度実施の事業では、千葉県富津(ふっつ)市と株式会社明治の協力を得て、
実際に自治体倉庫の備蓄から市内でのリデュース検証を実施し、市内全ての液体ミルクを使い切ることができました。
港区でも備蓄した液体ミルクを学校に提供し給食で活用してもらうなど、
廃棄することなく有効活用するべきだと考えますが見解を伺います。
区からの回答
学校給食での活用については、
大量の食材を時間内で調理するうえで、液体ミルクの使用は開封作業に時間を要してしまうなどの課題がある一方、
少量の調理では使用も可能と聞いております。
そのため、段階的に受け皿となる学校を検討してまいります。
また、保育園については食材としての活用の可能性があることから、
今後、希望する保育施設への活用に向けて、区立と私立とに関わりなく幅広く調整を図っていく予定です。
今後も備蓄物資を廃棄することなく、有効に活用できるよう取り組んでまいります。
良い回答をもらうことができました。
液体ミルクに限らず、防災備蓄品が無駄にならないようにすべきです。
他にも防災備蓄品の保存期限後の活用について質問しています!
他にも皆様からのご指摘などあればお気軽にご連絡ください。
必ずご返信いたします!