各地で起きている入札不調
役所ではよく「入札不調」という言葉が使われますが耳慣れない言葉ですよね。
この入札不調というものは、
入札を実施したものの、入札に参加する事業者がいなく、
結果的に落札者がいない、決まらないことを言います。
つまり、計画していた工事が進まない、ということです。
港区でも近年「入札不調」の案件が増えています。
赤坂地域にある赤坂支所が築30年になるにあたり
大規模改修が計画され
工事の入札を2024年に実施しましたが
大阪万博の影響もあり建設業界全体での人材不足と
建設機材の高騰により
入札が不調となりました。
今、行政の不調が多くなっていることが
全国的な課題となっています。
それだけ需要が多く建設業界の景気が良い
ということなので悪いことではないのですが
道路や施設など行政が実施する工事案件に
今まで以上に多くの費用がかかるようになってしまい
港区でも課題となっています。
赤坂支所の大規模改修
赤坂支所には
区民センター、区立住宅、職員住宅、KISSポート財団事務局、健康増進センター
が入っている複合的な建物で
1995年に建設され2025年には築30年となります。
港区には
公共施設の整備・活用の考え方や維持管理の進め方等、これからの公共施設のあり方に関する基本的な考え方を示した
「港区公共施設マネジメント計画」(公共施設等総合管理計画)
という計画があります。
「港区公共施設マネジメント計画」
https://www.city.minato.tokyo.jp/koukyoushisetsu/koukyoushisetsumanezimento.html
この計画に基づき大規模改修が計画されたのですが
2024年度に入札不調となり2025年度に再度入札が実施されます。
一度不調になったわけですから、
区から提示する条件を変更し入札してもらえるようにしています。
これが今回はなんと1.65倍となる42億円も増額し
工事費を見込むことになりました。
2023年の見積もり 64億7709万円
↓
今回(2025年)の見積もり 106億9644万円
差額:1.65倍 の 42億1935万円 増額
たった2年間で最初の見積もりから1.65倍の42億円も増額することに
非常に驚きです。
しかも、委員会の報告ではこのような記載があるのみ。
これだけで、「はい、OKです。了解です」
とはならないでしょ。
そこで、担当課長に
何にいくらかかるのか
なぜ42億円も増えるのか
分かる資料の作成を依頼しています。
民間のマンションなどとの比較
1981年5月31日までの建築確認において適用されていた基準は「旧耐震基準」。
1981年6月1日に「新耐震基準」が施行されました。
1978年の宮城県沖地震の甚大な被害を受けて、建築基準法が改正されたため
新耐震基準が設けられました。
今回の大規模改修が計画されている赤坂支所は
1995年に建設されたので新耐震基準で設計、建築がされています。
しかし、世の中では
タワマンの大規模修繕に多額の費用がかかり大変だとか
中には新耐震基準に合致していない住宅、建物もあります。
港区でのデータもこのようになっています。
区の施設ということで
修繕が必要なものは計画的に実施していかなくてはいけないものの
多くの区民はそう簡単に42億円を増額して修繕することはできないことを受け止め
納得できる形で計画されるよう、
引き続き各種案件について無駄に税金が使われることがないかチェックしていきます!