早期流産の女性に対する支援

今回は、港区の出産費用助成について質疑をしましたのでご報告します!
(※記事には流産・死産のエピソードが含まれています。)

出産費用助成

出産にかかる費用に対し、健康保険の出産一時金42万円に加えて、港区からは31万円の助成金を出すことになっていて、合計73万円まで助成を受けることができます。これは、大変ありがたいことです。

ただ、助成金を受けられる「要件」はまだまだ改善する必要がある、と考えています。

現在の受給要件は「出産」または「妊娠85日以上の出産及び流産」となっています。つまりは、出産できたかに関わらず、4か月以上継続して妊娠した人を対象に、費用が助成されることになっているのです。

しかしこれは、早期に流産してしまうケースに対しては助成金が下りない、ということでもあります。

ご存知のことかとも思いますが、出産年齢は年々高齢化が進んでいます。

内閣府が発行した2018年版「少子化社会対策白書」によると平均初婚年齢は、2016年で夫が31.1歳、妻が29.4歳となり、1985年と比較すると、夫は約3歳、妻は約4歳上昇しています。

出生時の母親の平均年齢も上昇傾向が続いており、2016年の出産平均年齢は、第1子が30.7歳、第2子が32.6歳、第3子が33.6歳。同じく1985年と比較すると第1子では4歳上昇しています。

港区でも、第一子の出産年齢は30〜34歳が最多で、次いで35〜39歳となっています。

医療機関で確認された妊娠の15%前後が流産するという統計もありますが、高齢出産に伴い、流産のリスクはさらに高くなります。

虎ノ門病院産婦人科のデータによれば、30〜34歳では10%、35〜39歳は20.7%、40歳以上は41.3%にもなるとされています。

さらに、日本産婦人科学会によると、35歳以上の妊娠経験者のうち40%以上が流産を経験しているという報告がされています。流産の8割が妊娠12週未満に発生するという統計をもとに、85日以上の死産19人から計算すると76人ほどが流産・死産している可能性があると言えます。

85日以下で正常に生まれてこない状況は流産に限らず様々あり、手術する・しないもケースバイケースです。

私自身の経験

ここで、私自身の経験をお話ししたいと思います。

私自身、流産も経験しましたし、異常妊娠も経験しています。

1回は稽留(けいりゅう)流産でつわりが酷いなか、定期検診の検査でお腹の赤ちゃんが心肺停止していると告げられました。こんなにつわりがひどいのに、お腹の赤ちゃんが生き

ていないという事実を受けとめるには時間がかかりましたが、母体への負担からすぐに手

術の日取りを決め、出術となりました。

さらに次のときには、妊娠がわかったのち、婦人科クリニックにかかりましたが、異常が

あるもののここでは判断できないと言われ、後日丸一日かけて総合病院で診察した結果、子宮外妊娠が発覚しました。特に私の場合、受精卵が卵管に着床しており、胎囊(たいのう)が増大して破裂し、出血多量や意識障害のショック症状となる可能性がありました。

一昔前には命取りとして扱われていたような症状だったため、母体が「ショック状態」の危険性になる前に、今すぐ緊急手術をしますと判断され緊急手術・入院となりました。

今まで大きな病気もしたことなかった私が、妊娠を機に、2回も全身麻酔の手術を受けることになったのです。

出産だけでなく妊娠も命がけであることを、身をもって感じました。

流産も異常妊娠も公的保険が適応されますが、特に異常妊娠では約20万円の費用がかかります。

本当であれば、数カ月後には出産して赤ちゃんとの生活ができるはずだったのに、それが叶わず悲しみに暮れるうえに、出産費用助成をも受けることができず、行政からも流産してしまったことが闇に葬られた感覚に陥りました。

助成の対象を拡大するべきです

このような経験を周りの同年代の女性に話すと、非常に多くの確率で「実は私も流産した」「手術したことがある」と聞きました。特に安定期に入るまでは妊娠したことを周りにも、夫にさえ言えないことがあり、そんな状況の中、人知れず出産に至れなかった人が多くいることを知りました。

流産・死産は心の悲しみだけでなく、もちろん体にも大きなダメージを受けます。これを乗り越えている女性が多くいるのです。

このような表に出てきていない状況を把握し、区として支援することが必要である と、区に伝えました。

支給要件を妊娠85日以上の流産及び死産としているのは、出産育児一時金(42万円)の支給要件と同様にしているためで、妊娠85日未満の流産を出産育児一時金の支給要件とは別に、港区出産費用助成事業の支給要件とすることは難しい

とのことです。

しかし、このような状況になった方々に対する支援について考えていきます。

と、今後支援をしていただけるような答弁をもらいました。

残念ながら流産・死産してしまった妊婦さんは、子供が欲しいと強く思っている人であり、子供を産みたいという人を支援することは、子育て支援そのものであるとも言えます。

85日未満で流産・死産してしまった妊婦さんへも支援をしていくべきです。
悲しい気持ちで受け止め、また次の一歩へ進むための後押しをすべき、と今後も要望していきます。

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