2023年度「港区の異次元の子育て支援」を紹介

出生数77万人というピンチ

昨年2022年の出生数が80万人を下回ると報道され、
そんなに子どもたちが減ってしまうとは!と思っていましたが
その後なんと77万人程度になりそうだとメディアで言われています。

本当にショッキングな人数です。

厚生労働省「人口動態統計(確定数)」/2020年
gaikyouR2.pdf (mhlw.go.jp)


上の図は1947年から2020年までの合計出生率です。

1971-1974年の第二次ベビーブームのころは、
200万人を超えていた出生数が年々減少していることが分かります。

このとき2040年の出生数が74万人と推計されていますが
10年以上も前倒しとなりそうな勢いで少子化が進んでいます。

少子化の原因は様々あり、これ!という特効薬はありませんが、
婚外子が少ない日本ではまずは結婚をしないと子どもには繋がりません。

出典:厚生労働省 平成27年版厚生労働白書 – 人口減少社会を考える –
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/15/backdata/01-01-04-004.html

フランスは婚外子が多いイメージがありますが
スウェーデンは55.47%と半数以上が婚外子となっています。
それと比較して日本は2.11%と婚外子の割合は大変少なくなっています。

つまりは、結婚をしないと子どもを設けないということが言えます。

こちらは、男女の平均初婚年齢と出産時の平均年齢の図です。

出典 厚生労働省 令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai15/dl/kekka.pdf


この資料を見ると
1975年には、男性で27.0歳、女性で24.7歳 でしたが
2020年には、男性が31.0歳、女性が29.4歳 となり
男性で4歳、女性で4.6歳も上昇しています。

出産時年齢では
1975年には、第一子:25.7歳 第二子:28.0歳 第三子:30.3歳 に対して
2020年には、第一子:30.7歳 第二子:32.8歳 第三子:33.9歳 と
上昇傾向が続いています。
第一子では、母親の年齢が5歳上昇しており、
これは45年前に3人目を生んでいた年齢とほぼ同じとなります。

晩婚化、晩産化だけでなく、
子育ての経済的負担の大きさや、
行政サービスの充実など
少子化の要因は様々あります。

解決するために政策が取られてきていますが、
それでも出生数が77万人と非常に少なくなっていることを鑑みると
これまでとは次元の違う「異次元の子育て支援」が急務であります。

港区でも減っている子どもたち

変わってこちらは港区の人口推移の図になります。
2004年から2023年の港区の0-4歳、5-9歳、
そして0-9歳までを合計した年少人口を表しました。


青色の0-4歳は2019年まで増加していましたが2020年から減っていることが分かります。

それと比較し、赤色の5-9歳は増加しています。

黄色い線の0-9歳の子どもたちの人数は2020年までは増加していましたが
2021年以降減少しています。

出典:港区HP 各月1日現在の年齢別人口(平成16年~令和5年)
https://www.city.minato.tokyo.jp/toukeichousa/kuse/toke/jinko/nenre/index.html

こちらは港区全体の人口推移(毎年1月1日現在)の図です。

2020年までは堅調に推移していましたが、
コロナの影響を受けて2021年、2022年は連続して人口が減少しました。

2023年には2020年の人口を超え1954年の計測以降
過去最高の人口となりました。

出典:港区HP 各年1月1日現在の人口・世帯数(昭和29年~令和5年)
https://www.city.minato.tokyo.jp/toukeichousa/kuse/toke/jinko/kako/kako.html

港区全体の人口は増えてきており、
5-9歳の子どもたちも増えている。
しかし0-4歳が減っている。

さらに出生数を見ると2017年以降赤ちゃんの数が減っていることがわかります。


港区の出生数
2017年:2942人
2018年:2857人
2019年:2744人
2020年:2655人
2021年:2461人

5年間で481人も減少しています。

これらの結果から考えられるのは
港区で生まれる赤ちゃんは減っているが
5歳以降の小学校に入るタイミングなどで港区にファミリー層が引っ越ししてきている、
ということです。

言い換えれば、他の地域で生まれた子どもたちを育てる上で
港区が選ばれているということです。

本来であれば、港区で生まれた子どもたちが港区で育っていくべきです。
もちろん、子育て政策が評価されて港区に引っ越してきてくださっていることは
喜ばしいことですが
出生数を増やしていく努力が必要です。

異次元の子育て政策

内閣府が、地域の子育て支援サービスを利用している人を対象にして、
その満足度を質問した結果のデータです。
地域子育て支援サービスを利用している人のうち6割強が満足だと回答しています。

あまり満足していない、満足していないを合わせると、
満足していない人が16.2%となっています。

出典 内閣府 少子化施策利用者居好調の構築に向けた調査報告書
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa20/ikou/2_3_01.html


満足していないと答えた人たちの理由は
「利用したいときに利用できない」
「利用時間が合わないから」
「利用料がかかるから」
などと時間的な理由や、利用料金などから満足していないという事が分かります。


港区はそんな不満を物色できるように区民が安心して子供を育て、子供が健やかに過ごせる街を実現する施策を行っていけるよう、
私もしっかりチェック・提案をしてまいります。

さて、先日、2023年度の予算概要が発表されました。
異次元の子育て支援のためにはまだまだ実現したいことは山積みですが、
これまで私が何度も要望したことが2023年度の予算提案に盛り込まれています!
頑張ってきたかいがありました!


いくつかご紹介します。

1.ちぃばす等の無料乗車可能人数拡充

現在、妊娠がわかったときから、出産後1年間、
「港区コミュニティバス乗車券」を支給しています。

これは、妊娠中の通院に、また出産後の外出支援として
ちぃばすとお台場レインボーバスに無料で乗れる券です。

それまでママ1人だけしか乗れなかった乗車券を、
私の提案により今は、券の裏面に5名の親族の名前を書くことができるようになり
そこの書かれたパパ、じぃじ、ばぁばなども赤ちゃんと一緒であれば
無料でバスに乗車することができるようになりました!

さらに今回の提案では
この券で、ちぃばすの乗車可能人数を1人から2人に拡充されます。
つまり、ママ・パパと赤ちゃんが無料でバスに乗車し
お出かけすることができるようになります!
2.出産費用助成の拡充

これまでも港区は出産費を73万円まで助成していました。

公的医療制度から出る出産育児一時金 42万円
 + 
港区独自の出産費用助成額 31万円
 = 73万円

この金額は全国の中でも恐らく最も高い方であるはずです。
出産費用助成73万円は、大変ありがたく評価をしていますが、
それでも、港区内の2021年度の平均出産費用は
78万5,297円となり、まだ出産には費用がかかります。
お金がかからず出産できるように出産費助成を増額すべきと求めてきました。

その結果、
出産費用助成の上限が8万円プラスされ、
73万円から81万に引き上げます。

公的医療制度から出る出産育児一時金 42万円
 + 
港区独自の出産費用助成額 39万円
 = 81万円

これでかなり負担が軽くなりますね!嬉しいです!

3.産後母子ケアの充実

私が議員になったころには、産後ケアというものはほとんどありませんでした。
10人に1人が産後うつになる確率があるということからも
産後ケアの重要性について訴えてきました。

特に、産後に病院に宿泊することができる産後母子ケア宿泊型ショートステイを
やるべきだとずっと訴え続け、実現をしました。
これまでは愛育病院、東京都済生会中央病院、東都文京病院、聖路加助産院マタニティケアホーム 、日本赤十字社医療センター
の5つの施設で使用ができました。

今回の提案で、さらに3施設で使えるようになり全部で8施設に拡大します!

また、
訪問型産後デイケアなどの産後のケアを充実させます。
例)母体ケア、乳児ケア、育児相談、授乳指導などがあります。
4.ベビーシッター補助がスタート

これまで幾度となく要望してきたベビーシッター補助。
東京都がお金を出してくれる事業があるのに、
頑なに港区は制度に乗っからず、ベビーシッター補助がありませんでした。

しかし、ついに一時預かりのベビーシッター補助が使えるようになります!

日中:1時間あたり2,500円上限
夜中:1時間あたり3,500円上限

これは、どんな理由でも構わないので、
仕事でも、リフレッシュでもなんでもOK!
何度も要望した甲斐がありました!
5.タクシー利用券の支給

以前より、自分1人で10分で行けるスーパーも
子どもがいると30分はかかるんだと区長に訴えてきましたが、
本当に子どもが一緒だと特に雨の日の移動はもう無理ゲーです。

公共交通機関を利用するのも、
周りに迷惑をかけるかもしれないと不安な気持ちになるので、
もう出掛けたくない!となることもしばしば。

そんな中、今回、2人以上の未就学児がいる世帯へタクシー利用券
年間24,000円分を支給します。

これで安心して移動ができるようになります!
すでに、未就学児が1人だったとしても移動が大変なので
1人の家庭にもタクシー券を支給してほしいとご要望いただいています。
未就学児が1人でもいる家庭にはタクシー券を支給するよう要請していきます。
6.ちぃばす等の全未就学児無料化

ちぃばす、お台場レインボーバスは未就学児は基本無料ですが、
人数が多くなると料金がかかります。

ちぃばすは、大人1人につき2人まで無料。3人目から100円。
お台場レインボーバスは、大人1人につき3人まで無料。4人目から110円。

これは、双子ちゃんがいて未就学児が3人以上いる家庭などにだけ
負担がかかっておりおかしい!
子どもは全員無料にすべき!と訴えてきました。

そして今回、
ちぃばす・お台場レインボーバスの全未就学児の運賃が無料になります。
何年かかかったけど、やっと実現されました!
7.妊娠、出産時に各5万円のギフト券を支給

妊娠時に5万円分のギフト券 
妊娠8ヶ月時に希望者には面談を実施 
出産後に5万円分のギフト券 

合計10万円分のギフト券を支給します。
 8.2歳の子どもがいる家庭に1~3万円のギフト券を支給 

2歳になるお子さんがいる家庭に対し下記のギフト券を支給します。

第一子の場合は 1万円
第二子の場合は 2万円
第三子以降の場合は3万円

2人目以降は金額が増額されているのも嬉しいポイントです!

(※2022年に2歳となった子どもたちも対象となります)
9.小学校で教科担任制を導入

区立小学校は、学級担任制をとっており
クラスの担任が基本的な多くの教科を指導しています。

しかし、2021年に文部科学省の義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方についてから「小学校高学年からの教科担任制を推進する必要がある。」と報告があったことから
教科担任制を推進していく動きとなりました。
https://www.mext.go.jp/content/20210729-mxt_zaimu-000015519_1.pdf

そこで港区でも
・子どもたちのために質の高い授業を実施するため
・教員の負担軽減のため
上記の理由から小学校の高学年で教科担任制を導入します。

教科担任制となる教科は
英語、体育、理科、社会等です。
これらの教科を基本と実施する教科は、児童数や学級数による時間割などを考慮し、各学校ごとに決定します。 

1人の先生が様々な授業を受け持つより
より専門的な授業をすることができるようになり
子どもたちの探究心がくすぐられ
また多くの先生が子どもたちを見守ることができるなどのメリットがあります。
10.学校図書館の充実


モデル校2校で電子書籍を導入します。

また現在は学校図書館にいる図書館司書、図書館支援員は週4日しか配置されていません。
そのため、学校のよっては図書館スタッフがいない日には図書の貸し出しができない、
教員が図書館スタッフの代わりを務めるが多忙なため十分に機能していない、など
子どもたちにとって不便が生じています。

これまで、学校図書館を充実させるべき、と訴えてきたことから
図書館スタッフを週5日配置することになりました!
11.高校生まで医療費を無料に

港区では現在は中学生までの医療費が無料となっています。
しかし、高校生まで医療費を無料にすべき、と主張してきた結果
医療費無料を高校生にまで拡大します。

特に0歳のときには、すぐに熱を出したり
保育園に行きだしたら治ったと思ったらまた風邪をもらってきたりと
何かと病院に行く機会が多いので、
医療費が無料だと安心して病院にかかることができますよね!

私が提案してきたことが本当にたくさん実現されました。
めげずに何度も訴えてきて良かったなと思っています。
そして今も日々皆さまから新たに様々なご提案・ご要望が届いております。
意見交換させていただきながら政策に反映させていきたいと思います!
引き続き皆さまからのご意見お待ちしております。

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