幼保無償化とは
幼保無償化とは、子育ての負担軽減を目的に2019年より始まった国の政策です。
詳しい内容については、内閣府のホームページにて説明があります。
幼児教育・保育の無償化概要: 子ども・子育て本部 – 内閣府 (cao.go.jp)
幼保無償化では、3歳から5歳までの子供たちにかかる幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料を無料としています。
厚生労働省の調査によると、月当たりにかかる保育料の平均は21,138円となっていますので、年間約25万円かかっていた保育料が無料になります。
これは、かなりの負担軽減になりますね。
出典:平成27年 地域児童福祉事業等調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jidou/15/dl/gaikyou.pdf
また、幼稚園については月額2.57万円までという上限が定められています。完全に無償化となるわけではありません。
預かり保育について
預かり保育については、「保育の必要性の認定」を受ける必要があり、月内の預かり保育の利用日数に450円を乗じた額と、預かり保育の利用料を比較したうえで、月額1.13万円の範囲内でより少ない方の額を無償とすることができます。
認可外保育施設の利用について
認可外保育施設などに関しては、預かり保育と同じく「保育の必要性の認定」を受ける必要がありますが、
3歳から5歳までの子供は、月額3.7万円まで
0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子供は、月額4.2万円まで
の利用料が無償化されます。
主に対象となるのは認可外保育園、ベビーシッター、一時預かり事業、病児保育事業、ファミリー・サポート・センター事業などです。
障害児への無償化について
就学前の障害児の発達支援を利用する3歳から5歳の子供にかかる利用料についても、無償化が適用されます。
幼稚園と発達支援の複数を利用している場合では、その両方が無料となります。
0歳から2歳までのこどもについて
しかし、0歳から2歳までの子供たちは、住民税非課税世帯のみが対象になっており、所得制限がついています。
住民税非課税世帯とは、以下の条件のいずれかを満たす人です。
・生活保護を受けている人
・障害者、未成年者、ひとり親、寡婦(夫)の人で、前年の合計所得が135万円以下の人
・前年の合計所得が「35万円×(世帯人員数)+21万円+10万円」以下の人
0歳から2歳までの子供の保育料を無償化にするためにはかなり厳しい条件を満たすことが必要になります。
そのため、多くの方はお子様が0歳から2歳になるまでは保育料の全額を負担されています。
これでは、真の子育て無償化といえるのでしょうか?
2つの政策
そこで、2つの政策を提案させていただきます。
➀0歳から2歳の子供にかかる保育料も無料に
② 給食費も無料に
それぞれについて、まとめていきたいと思います。
➀0歳から2歳の子供にかかる保育料も無料に
港区では保育料や給食費を、区市町村民税所得割課税額と保育の必要量、児童のクラス年齢によって決定しています。
また、保護者と生計を共にする第2子以降の子については、保育料と給食費を無料としています。
そのため、0歳から2歳までの第1子のお子様に保育料がかかるわけなのですが、第1子にかかる保育料の最高額は月額88,400円*となっています。
つまり、年間約106万円もの保育料がかかっているわけです。
3歳から5歳までの保育料が無償化されるとはいえ、0歳から2歳になるまでこの金額を払うことは、大きな負担になります。
そこで、住民税非課税世帯のみを対象とする条件を撤廃し、0歳から2歳までのすべての子供に関しても幼稚園や保育園の利用料を無料にすることを提案したいと思います!
この取り組みにより、経済的負担の大きな軽減を目指していきます!
②給食費も無料に
現在行われている幼保無償化では、3歳から5歳の子供について保育園や幼稚園にかかる保育料のすべてが無料になっているわけではありません。
実費で徴収されているお金は対象外となっています。
例えば、通園送迎費(スクールバス代)、給食費、行事費などです。
港区では給食費として月当たり5000円*が徴収されていますので、この給食費も無償化を目指しています!
* 保育料(利用者負担額) (city.minato.tokyo.jp)
実際に議会でも小・中学校を含めた給食費の無償化について質問をしてきました。
令和3年度決算特別委員会-10月04日 (city.minato.tokyo.jp)
実際の質問です。
『本定例会における我が会派の一般質問でも、給食の無償化について質問をいたしました。その際の答弁は、教育委員会として独自に学校給食を無償化することは予定していないというものでした。
給食費の在り方については、23区の中で対応が分かれており、葛飾区が2023年4月から給食費の完全無償化を決定し、大変話題となっています。港区では2021年に、学校給食費緊急保護者負担軽減事業として、約5,700万円が支出されています。しかし、近年の物価高騰に伴い、2022年度第2回定例会の補正予算で、お米の購入に関する緊急支援費として追加で2,200万円、さらに今定例会の補正予算を含め、合計で1,500万円の支援が開始されています。
加えて、区では就学援助等として、2021年度も約8,600万円を支出しており、2021年度給食費に関して、約7億円の給食食材費に対して、公費負担が21%に当たる約1億4,300万円、保護者負担は79%の約5億5,000万円となっています。仮に給食を無償化とした際にかかる費用は、保護者負担となっている約5億5,000万円ということになります。先ほど述べたように、就学援助や食材費の補助など全てを含めると、約7億円で区立小・中学校の給食費を無償化させることが可能となります。
また、区立学校において、給食費のほかにも、教材費が保護者負担としてかかっています。ある区内の小・中学校では、年間約1万円の教材費がかかっており、小学校6年間で6万円、中学校3年間で3万円程度が保護者負担となっています。近年の円安に伴う食料品の高騰が続いている中、給食費や教材費など、区立学校の保護者負担の在り方について検討していくべきだと考えますが、教育委員会の見解を伺います。』
他の区でも給食費の無償化が進められているように、港区でも給食費の無償化を行うべきではないでしょうか。
約7億円の資金を投じることで、給食費の79%を保護者が負担している現状を、保護者の負担0%へと変えることができます。
食料品の高騰が続いている中で給食を安定して提供していくためには、保護者の負担を軽減するための検討を進めていくべきではないのでしょうか。
というように訴えてきました。
これからも給食費の無償化を目指して活動を重ねていきたいと思います。
終わりに
少子高齢化問題への対策として、子育ての負担軽減をはかる改革は大きく進められていますが、まだまだ十分とは言えません。
幼保無償化にも改善できる点があります。
0歳から2歳の子供に対する保育料の無償化や、給食費の無償化を通し、子育ての経済的負担を大きく軽減することで、子育て世代に対する本当の意味での子育ての無償化を目指していきたいと思います。