学校図書館への司書・支援員の拡充
今回は、司書・支援員の配置を拡充することについて質問を行いました。
質問の概要
港区では、2020年度から学校図書館を学校司書と学校図書館⽀援員の⼀括委託に。以降、全ての学校図書で「読書センター」、「学習センター」、「情報センター」の3機能を拡充させ、子どもたちの確かな学力育成に役立っています。
2020年度はCOVID-19の影響が大きかったにもかからわらず、貸出冊数は2019年度に比べ約1万冊も伸び、1学校1週間当たりの授業利用も2019年度の約2回から、約6回に増加!
しかし、現在は司書・支援員の配置は週4日のみ。司書や支援員がいない日は、図書館を閉館せざるを得ない学校もあります。開館している学校でも、貸出業務を図書担当の先生が行っていることもあり、先生の負担にもなっています。
そこで、子どもたち、また教員にとってもさらに利便性を高めるため、司書・支援員を週5日間配置できるよう拡充すべきと考え、区に対して質問しました。
港区では、学校図書館に2002年から委託による学校司書と有償ボランティアによるRAS※だった体制から、2020年度より、RASを廃止し学校司書と学校図書館⽀援員の⼀括委託にしました。それまでは、学校ごとやRASごとに内容や質に大きなばらつきがありましたが、一括委託したことにより均質化が図られ、すべての学校図書館において「読書センター」、「学習センター」、「情報センター」の3つの機能を拡充させ、子どもたちの確かな学力の育成に役立っています。
※ リーディングアドバイザリースタッフとは
区立小・中学校に配置され、児童・生徒の読書活動に関することや学校図書館の環境充実に関すること、学習資料提供に関することなどの相談に応じるスタッフ。
この学校図書館運営費用として2020年度は約6300万円だった予算が2021年度には約5,800万円、2022年度は約6,100万円となり、2020年度の予算水準に戻ってきていますが、まだ微減のままです。
現状は、学校の教職員が図書館司書・支援員に、直接、指揮命令を行うと偽装請負となるとはいえ、実際に教員と連携しないわけにもいかないなどの実務上の課題もありますが、学校現場からは一斉委託の体制に対し高い評価を得ていると伺いました。私も学校にヒヤリングもしましたが、大変満足しているということでした。
↑ 以前に視察した小学校の図書室です。白金の丘学園だった気がします・・・。
貸出冊数はCOVID-19の影響が大きかったにもかからわらず、伸びていることがわかりました!
2019年度:約26万7,000冊
2020年度:約27万6,000冊
と約1万冊も伸びているそうです。
また1学校1週間当たりの授業利用も増えています。
2019年度:約2回
2020年度:約6回
と図書館利用率も3倍にも高くなっています。
2022年度はより期待をいたしますが、貸し出し冊数や授業利用回数など、2022年度の目標について伺います。
また現在は大変残念なことに司書・支援員は週4日しか配置されていません。学校によっては、司書や支援員がいない日は、図書館を閉館せざるを得ない学校もあります。開館している学校でも、貸出業務を図書担当の先生が行っていることもあり、先生の負担にもなっています。
そこで、子どもたちにとって、また教員にとってもさらに利便性を高めるため、司書・支援員を週5日間配置できるよう拡充すべきと考え、区に質問しました。
区からの返答
業務委託化以降、事業者が主催するスタッフ対象の研修会や、各校の図書担当教諭やスタッフとの情報共有、協議などをとおして、スタッフは専門性を高めてきており、貸出冊数や授業利用回数の増加につながっております。
令和3年度も、令和2年度の貸出冊数、授業利用回数を上回ることが予測されており、貸出冊数については、30万冊に届こうとしております。このことから、令和4年度の目標は、貸出冊数は33万冊、授業利用回数は前年度比120%を目標に取り組んでいくことを事業者と確認しております。
また、現在は平日の水曜日を除き、学校司書、図書館支援員をそれぞれ週2日ずつ、計週4日配置しております。水曜日については、学校が職員会議や研修会の予定を入れていることが多く、スタッフの勤務時間が限られていることから配置しておりませんが、今後の授業利用回数の推移を見て、水曜日のスタッフ配置の必要性を判断してまいります。
コロナ禍を利用して読書量向上を
学校図書の時間など、幼少期からの読書経験は、子供の感性や情緒を育み、知的好奇心を育てるためにとても重要です。日本で子どもの読書離れが指摘されるようになってからは、学校図書館に求められる役割は、より一層大きくなっています。
港区では、子どもたちに本に親しんでもらい、読書量を増やすために、学校図書館をはじめとした様々な取り組みをしています。
その一つが、質問でも触れたRAS(リーディングアドバイザリースタッフ)です。
リーディングアドバイザリースタッフは、学校図書館の環境充実に関すること、児童・生徒の読書活動に関すること、学習資料提供に関することなどの相談に応じるスタッフのことで、2002年から2019年の間、完全学校週5日制のもと港区立の全小・中学校に配置していました。
この期間、授業が行われている時間帯、学校図書館には RAS が常駐していて、各学校では、朝の授業前の一斉読書、ボランティアによる読み聞かせやブックトークなど、各学校独自の読書活動が行われていました。
しかし、RASが廃止されて以降、現在は司書・支援員の配置は週4日のみ!
COVID-19の影響で外遊びが制限されていることも理由なのでしょうか、
せっかく貸出図書や学校図書館の授業利用も増えているなか、RAS体制では週5日配置ができていたのに、司書・支援員を週5日配置にしない手はありません。
子どもたちが室内で過ごす時間が増えている状況下だからこそ、子どもたちに読書への関心を持ってもらい、たくさん本を読んでもらうチャンスです。
港区からは、今後5日配置していくことを検討していくという回答をもらうことができましたので、子どもたちがいつでも学校図書館を利用できるよう、司書・支援員の週5日配置を早期に実現できればと思っています。