50億円のたばこ税とみなとタバコルール
3月に入り、花粉の季節になりました。今年は、例年と比べても何倍もの量が飛んでいるらしいですね。
3月13日以降、マスクの着用は個人に委ねられることになりますが、花粉症の影響もありマスクが手放せない方も多いかもしれませんね。
街中を歩いていて、もう一つ気になるのはたばこの煙です。
自分ももちろんですが、一緒に歩く我が子にも、できるだけ吸ってほしくない、と思います。
私のところにも、タバコのマナーについて、喫煙所についてとても多くのご意見ご要望が寄せられています。
今日のブログでは、私が進めている喫煙についての政策についてまとめます。
「みなとたばこルール」をご存じでしょうか。
これは2014年(平成26年)に施行された港区の条例です。
区内における屋外の公共の場所で、路上・歩行喫煙や吸い殻のポイ捨てをしないことで、快適なまちづくりを実現しようというものです。
みなとタバコルールとは 港区HP
https://www.city.minato.tokyo.jp/kankyoushidou/kankyo-machi/kankyo/tobacco/rule/tobacco.html
港区には指定喫煙場所が、2022年(令和4年)12月26日現在、区内に99か所あります。
指定喫煙場所一覧 港区HP
https://www.city.minato.tokyo.jp/kankyouseisaku/shiteikitsuenbasyo.html
たばこ税は、タバコを購入した自治体がたばこ税収入とすることができます。
港区は会社が多いため、23区の中でもたばこ税収入が多い方となっています。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で在宅ワークが増え、
会社の近くでタバコを購入していた人たちが自宅の近くで購入するようになり
ここ数年はたばこ税が減収となっていました。
2021年度のたばこ税は、回復してきており約50億円となり、23区の中で4番目に高い収入額となりました。
また2021年度喫煙所、タバコルールなどタバコに関する支出は、5億4,137万円でした。
これまでの推移を見てみましょう
たばこ税収入 | たばこに関する支出 | |
2019年度 | 約60億円 | 約6億7,500万円 |
2020年度 | 約45億円 | 約4億2,000万円 |
2021年度 | 約50億円 | 約5億4,000万円 |
2021年度の約5億4,000万円支出した内訳を調べたところ、
73%に当たる約4億円を巡回指導員の委託費が占めていました。
巡回指導について効果があればいいのですが、巡回対象は、ルールを守って喫煙所でたばこを吸っている人たちです。これでは路上・歩行喫煙が多く見られる現状は変わりません。
港区のクリーンな環境を実現するためには、もっと他の予算の使い方をした方がよいのではないか。
3つの政策
そこで、以下の3つの政策を提案させていただきます。
①喫煙所をすべて密閉型に
②収益が上がる喫煙所に
③在勤者の喫煙マナーを徹底的に
私は、これまで港区議会での答弁を通してこれらの政策を積極的に働きかけてきました。
それぞれについてまとめていきます。
①喫煙所を密閉型に
受動喫煙による健康への影響は見過ごせないものがあります。
近年では出る煙の量が少なく抑えられるたばこも発売されていますが、
非喫煙者にとっては少量の煙でも気になります。
そこで喫煙所は全て密閉型喫煙所(BOX型)にすべきだと訴えてきました。
何度も質問で取り上げていますが、1つご紹介します。
令和3年度決算特別委員会-09月22日
区は維持費等にお金がかかると言っていますが、
2021年に2か所の喫煙場所を密閉型に転換した支出が約5,300万円でした。
2021年度のみなとタバコルール全体の支出約5億5,000万円の全てを使うと、
1年間で20か所を転換できる計算になります!!
数字だけを見ると、たった2年間のみなとタバコルールの決算額で、
区内全ての屋外喫煙場所を密閉型喫煙場所に転換できる費用をまかなえます!
ところが密閉型にするには様々な障壁があるのです。
現時点で、屋外喫煙場所のうち、密閉型への転換の可能性を検討している喫煙場所は
おおむね2か所で都立芝公園と品川駅港南口です。
残りの38か所については密閉型への転換が困難だということです。
主な理由は、
屋外喫煙場所の多くが歩道上に設置されており、通行に必要な幅員の確保が必要であることから、
現時点では密閉型喫煙場所の設置が難しいそうです。
今後も副流煙がもれない密閉型喫煙所やコンテナ型喫煙所など
区内全ての喫煙所を吸う人・吸わない人が共に快適になる喫煙所になるよう提案していきます!
②収益が上がる喫煙所に
喫煙所を管理・運営するには、当然のことながらお金がかかります。
タバコに関する予算のほとんどを締めているのは、巡回指導員の委託費です。
しかし現状では、巡回指導を減らすということは難しいと役所は言っています。
私は吸う人も吸わない人も快適な環境をつくるために、
気軽に利用できる小型の密閉型喫煙所を多く設置することも有効だと考えています。
小型の密閉喫煙所の設置が進めば、巡回員の見回りの必要もなくなるかもしれません。
しかし、今すぐにコストを減らすことが難しいのであれば、利益を最大化すべきです。
そこで、喫煙所そのものを収益化できるような仕組みを提案しています。
たとえば、密閉喫煙所の有料化です。
ICカード決済を導入し、Suica等をタッチすると喫煙所のドアが開く仕組みなどです。
また、広告による収益化も考えられます。
民間が管理している喫煙所では、実際に喫煙所にモニターを設置し、広告事業を展開している喫煙所もあります。
私が調べたとある広告会社では、1喫煙所当たり1か月10万円から40万円程度の広告料を取り、
喫煙所を運営しているということです。
港区でも喫煙所に広告をつけ、収益を生み出す空間とすることで、
税金だけでなく、自主財源で喫煙所を運営することができるようになります。
区でも取り組んでいきたいと回答もらっているので
今後も提案し続けたいと思います。
③在勤者の喫煙マナーを徹底的に
喫煙問題で多くいただくご意見の1つが、
スーツ姿いわゆる港区に働きに来ている人(在勤者)の路上喫煙についてです。
みなとたばこルールの対象者には、もちろん港区で働く人も含まれています。
お住まいの方は、ある程度たばこルールを守っていただいていると思いますが
どうしても働いている方々へのルールの徹底ができていません。
巡回指導員は喫煙所の周りで見回ることが多いのですが
喫煙所で吸っている人たちには特に指導することはないはずです。
それよりも、喫煙所ではない場所で路上喫煙している会社員の人たちに
喫煙所にいくよう指導をすべきです。
実際、様々な特定の地域の路上喫煙をなんとかしてほしい!と陳情をいただき
その地域の巡回指導員の方にその場所に立ってもらい指導してもらっています。
ですが、それもいたちごっこですね。
巡回指導員に指導されれば吸わなくなるけど
指導員がいなくなればまた吸うという・・・。
港区に勤務している皆さんにもルールを徹底するよう訴え続けます!
おわりに
2021年度、2022年度で、田町駅をはじめ4か所の密閉型喫煙所設置が実現しました。
しかし、全喫煙所の密閉型への転換への道はまだまだ遠いですし、支出についても見直すべき点は多く残っています。
これからも快適な港区を実現するために邁進してまいります。