港区のタブレット環境
港区では国に先駆けて児童・生徒1人1台のタブレット配布を実現しており、
ICT教育が充実しはじめています。
先日視察した区立白金小学校では、子どもたちはもちろんのこと、
ICT教育の推進に不可欠な教員の意識向上にも熱心に取り組まれておりICT教育の今後に期待をするところです。
翻って、子どもたちにとっては憧れのタブレットを自分専用として学校から渡され、喜ぶ姿が目に浮かびます。
タブレットはICT教育のためにも、これからの時代を生きる上でも欠かすことができません。
学習以外にSNSも使用可能なタブレット
ところがタブレットの使用に関するご相談は、保護者からだけでなく、
教員からも授業中にyoutubeを見る子どもがいて困るなど寄せられるなど
配布された子どもたちも、保護者も配布している側の学校も悩みのタネとなてちます。
ある保護者からSNSの閲覧、投稿に関するご相談をいただきました。
そのご家庭では、インターネットの危険性から子どもたちを守るため、
お子さんの携帯、自宅でのパソコン、タブレットなどでyoutubeを含めたSNSなどにアクセスできないように、
スクリーンタイムの設定を活用しアプリごとの制限やブラウザの接続についても細かに設定をしてきました。
ところが学校から貸与されたタブレットで、家庭で保護者の目を盗んで、Xにアカウントを作成し、投稿していました。
保護者が異変に気が付き調査をしたところ、
Xに1日に200回以上も投稿していること、
SNS上で見知らぬ異性とやり取りをしていることなどが発覚しました。
なんと3ヶ月で、2万件近く投稿しており
平均すると1日に200件も投稿していた計算になります。
これはほぼ「SNS依存症」と言っても過言ではありません。
2022年に警視庁が公表したSNSに起因する事犯の被害児童数によると、
2021年での最多は児童買春・児童ポルノ禁止法に関する事犯、
2番目に多いのが青少年保護育成条例に関する事犯となっています。
出典:警察庁
どんなに家庭でインターネットの脅威から守ろうと努力をしても、
突然学校からほぼフリーの状態となっているタブレットを貸与されては、
家庭で子どもたちを守る対策の仕様がありません。
区では、Xを始めとしたアプリをインストールすることができないことを持って、
youtube以外のSNSを使用することはできないとしていますが、
実際にはブラウザを活用しSNSに容易にアクセスすることができます。
デジタルネイティブ世代の子どもたちは、
私達大人たちよりもタブレットやインターネットを上手に使いこなすことを念頭に置かなくてはなりません。
学校から貸与されているタブレットがきっかけでSNS依存症ともいえる事態となっている子どもと、
それに悩みご家庭があることを教育委員会は認識すべきです。
現在、区では深夜帯にタブレットを使用できないようにすることと、
新たにアプリをインストールすることができないようにするという最低限の制限となっています。
また現在港区が貸与しているタブレットはスクリーンタイムが一括した契約となっているため、
自由に設定することができなくなっています。
↑ こちらが、スクリーンタイムを触ることができない学校から貸与されたタブレットで
↑ こちらは一般的なiPadのスクリーンタイムの設定画面
保護者が、スクリーンタイムを設定しようとしても
子どもはもちろんのこと、保護者もタップすらできず設定を変えることができない仕様となっています。
各家庭の方針により学校以外でyoutubeを閲覧できるは1日1時間までにする、
タブレットを19時以降使用できないようにするなど細かな設定ができるようにすべきです。
港区では学習で使用するタブレットでSNSを使用することを許可しているのか
区が把握しているタブレットに関して起きた問題の年間件数は
保護者にスクリーンタイムを設定する権限を付与すべき
と教育委員会に対し訴え、
予算委員会という公の場で質疑しました。